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Internet game disorder

インターネットゲーミング依存症 インターネットゲーム障害、
スマートフォン依存症
(ゲーム障害・ゲーム症)

概要Overview

インターネットゲーム(あるいはスマートフォン、SNS、動画視聴)使用のコントロールが困難となり、不登校、退学・退職、家庭内暴力、うつ状態など深刻な心理社会的問題を生じる状態です。耐性、とらわれ、離脱症状、価値観の逆転、連続使用、否認などがあり、アルコール依存症や病的賭博と類似性が非常に高いと言えます。
家族がインターネットゲーム使用の中止を患者に求めながらも、使用できる環境を与え続けている状況(イネイブリング、イネイブラー)が多く見受けられます。
患者の多くを10代の中学生・高校生が占めることが、アルコール依存症や病的賭博との大きな相違点です(中高生の7人に1人、98万人が罹患との報告あり)。

ゲームに依存しているイメージ画像

中高生は、人格的に発達途上にあり、経済的に親の庇護下にあるため深刻な現実に直面し難く、不登校・学校恐怖の併発を起こすリスクが高く、治療の難易度を上げています。
若年時からの依存は、現実逃避の回路が形成され、この時期に学ぶべき、対人関係、ストレス回避方法など社会的技術や職業的技術が身につかず、人生に大きなダメージを与えます。

また背景に発達障害(ADHD、ASD)を有する方々が一定数おり、その場合は薬物療法も効果が期待できます。

原因Cause

  • 環境要因:

    インターネットにつながるパソコンやスマートフォンが無制限に利用できること。
    インターネットゲームや動画の閲覧には終わりがなく、その無限性が依存性と関連しているとの説もある。

  • 患者側要因:

    家庭状況や不登校などからの逃避から生じることや、うつ病や不安症に伴って生じることがある。ASDやADHDなど発達特性を持つ方に生じることも少なくない。

症状Symptoms

インターネットゲーム(スマートフォン)の使用時間が長時間となります(耐性)。考え・話すことはインターネットゲームに関することばかりになり(こだわり)、それ以外の趣味や活動への興味を失い、本来大切であるはずのもの(家族、学業・仕事、友人関係)よりもインターネットゲーム使用を優先します(価値観の逆転)。成績低下や欠席、不登校、退学・退職などの問題が生じ、インターネットゲームの使用を制限しようとしても、イライラや不安、落ち込みなど離脱症状が出現し、制限できません。家族が制限しようとすると興奮や暴言、家庭内暴力が出現します。治療開始時には、不登校・引きこもりとなり、睡眠覚醒リズムは崩壊し、1日に15〜20時間、インターネットゲームをやり続ける状態になっている方や、うつ状態を併発している方も少なくありません。最重症では、食事も摂らず寝ずにインターネットゲームをし続ける状態になります。

スマートフォンに依存しているイメージ画像

診断Diagnosis

DSM-5診断基準

  • インターネットゲームへのとらわれ

    過去のゲームに関する活動のことを考えるか、次のゲームを楽しみに待つ:インターネットゲームが日々の生活の中で主要な活動になる。

診断基準

A:インターネットゲームが取り去られた際の離脱症状
(いらいら、不安、悲しさによって特徴付けられるが、薬理学的な離脱の生理学的特徴はない)

B:耐性、インターネットゲームに費やす時間が増大していくこと

C:インターネットゲームに関わることを制御する試みの不成功

D:インターネットゲームの結果として生じる、インターネットゲーム以外の過去の趣味や娯楽への興味の喪失

E:心理社会的な問題を知っているにもかかわらず、過度にインターネットゲームの使用を続ける。

F:家族、治療者、または他者に対して、インターネットゲームの使用の程度について嘘をついたことがある。

G:否定的な気分(例:無力感、罪悪感、不安)を避けるため、あるいは和らげるためにインターネットゲームを使用する。

H:インターネットゲームへの参加のために、大事な交友関係、仕事、教育や雇用の機会を危うくした、または失ったことがある。

(DSM-5 精神障害の診断・統計マニュアル第4版から引用)

治療Treatment

患者様が自分の意志で受診することは稀で、大抵は、親に連れられて来院します。初診時は、病気であることを否認し、問題を過小評価しているのが通常です。受診するまでに、インターネットゲームの使用に関して親子で繰り返し争っており、親子関係が不良になっていることが少なくありません。
また、親は患者様のインターネットゲームを制限しようとして、暴れられたり、登校をボイコットされたりして困り果てており、インターネットゲームを制限する気力を失っていることが多いです。
他の疾患と同様に、早期の段階で治療をすればより早く、容易に回復しやすいと言えます。

当院における治療

  • 「ようこそ」の気持ちで患者様を迎え、傾聴し、プラスのフィードバックを行う。
  • スクリーニングテストの結果をフィードバックし、簡潔に心理教育を実施。
  • 心理士とのカウンセリング、認知行動療法、トークンエコノミー法などを導入。
  • 併発する不登校への治療も並行して行う。
  • 親の心労を労う。
  • 親子関係を改善するための、親への心理教育やペアレントトレーニングを実施。
  • 家族がより効果的な依存症者への介入方法を学ぶクラフトを実施。
  • 必要に応じて当院デイケア・ナイトケアや他フリースクールなどへの参加などを調整する。
日本思春期学会大会症例 思春期心の健康会 思春期心の健康会抄録

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