札幌太田病院コラム

　当院の急性期治療病棟では疾患教育プログラム『学習会』を毎日実施しております。この学習会は「S学習会」と「A学習会」の2つがあり、患者様の疾患によって参加対象が決まります。

　今回はこの2つの学習会の内、S学習会のご紹介をさせていただきます。当院のS学習会では十段階心理療法に基づいた各テーマ別の講義を主な内容として実施しており、精神疾患の特徴や服薬の重要性について学ぶことができます。

　また、普段の講義に加えて、我々、作業療法士が講義を担当することもあります。先日の作業療法士の講義では「マンダラチャート」という目標達成ツールを紹介させていただきました。マンダラチャートは「目標の明確化」と「目標達成までの過程の具体化」を目的とした目標達成シートです。実際のシートは、下の写真のように、大きく9つの枠から構成されています。各大枠は縦3マス×横3マスの合計9マスからなり、中心のマスには「達成したい目標」を、周囲の8マスには「目標達成に必要な要素」を書き出します。それ以外の8つの枠の中心に「目標達成に必要な要素」を、残りのマスに「その要素を得るために必要な行動目標」を記入すれば完成です。

　実はこのシートは日本人として最年少、また、最速でアメリカンリーグの週間MVPを獲得した大谷翔平選手が高校1年生の時に使用したものとしても知られています。実際に患者様からもこのシートの使用希望があり、退院後の生活目標を整理し、担当作業療法士とそれを共有してから退院される方もおりました。目的や目標とは時間の経過と共に意識が薄れ曖昧になりやすいですが、このシートを使用し、目標への理解を深めて明確にすることで、具体的な行動につながり、理想とする自分に繋がりやすいとされています。

　このように当院では学習会で病気への理解を深め、患者様が具体的な目標をもって治療に励めるよう支援を行っております。

「マンダラチャート」は一般社団法人マンダラチャート協会の登録商標です

https://mandalachart.jp/

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