T−G−22

病棟内・内観療法システムの成長


医療法人耕仁会 札幌太田病院
○太田 耕平、池田 明穂、阿部一九夫
響 徹、熊岡 構一、太田 健介
山本 暢朋、太田 秀造

第99回日本精神神経学会抄録集:160,2003


 
第一期:
 昭和49〜55年頃。内観療法の対象は酒類依存が主で、関与職員も演者一人であった。興奮や拒否・否認の強い症例を選んだ保護室内・内観療法であった。向精神薬は少量ですみ、断酒会につなぎ得た。この頃は、新入院患者の約39%が統合失調症、約30%が酒類依存であった。


第二期:
 昭和56〜61年頃。新入院患者の約41%を酒類・薬物依存が占めた。不登校・いじめられ・シンナー乱用などの思春期症例が新入院患者の約23%に達し、酒類依存の父(母)親ともども治療した症例も多い。心理士やPSWが内観療法チームに参加し、内観室が病棟内に設置された。内観体験者が断酒会のなかで活躍し始めた。


第三期:
 思春期不適応が進行性の重複性心身症に陥る例がある。親の離婚→転居→転校→いじめられ→不登校→引きこもり→不安・パニック(過・拒食)→暴力→家族全体の病理へ。予防・早期発見・早期治療に病棟内・内観療法の有効性を確認した。


第四期:
 平成4〜10年頃まで。水中毒による痙攣発作を呈す統合失調症例に保護室内で内観を勧めた。恨んでいた母からピアノを習ったことを回想し、これを契機に音楽療法の助手をするまで回復した。この経験から幻覚妄想症例に薬物療法に併せて慎重に回想法的に適応して有効性を確認した。内観職員詰所を設置し、勤務表・内観統括表などを掲示し、多数例へ対応可能となった。


第五期:
 平成11年から現在。10〜20歳代の不登校・暴力・過拒食・リストカット・頻回の自殺行為など多彩な行動障害例が増加し、約17%である。酒類・薬物依存と統合失調症はそれぞれ31%と同率である。内観療法を必要とする病態は増加している。内観効果の客観化と数量化のために内観深度評価、内観指導者の自己評価を採用しつつある。健全および病的心理認知減少にフラクタル理論が適応可能と思われる。
 


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