12.内観療法を行った精神分裂病入院症例の転帰


札幌太田病院
○太田秀造、池田明穂、響徹、熊岡構市、阿部一九夫、太田耕平



目的:
 内観療法を実施した精神分裂病新規入院例の転帰について検討する。

方法:
 平成13年1月から12月までの1年間に、当院に精神分裂病の診断で新規に入院した連続44例(男性20例、女性24例、年齢 11〜66、平均33.4歳)(図1)を対象に、入院期間、転帰、内観療法実施の有無について検討した。

結果:
 44例のうち3例は平成14年3月現在まで入院継続中(現在の入院期間はそれぞれ11か月、4か月、3か月)で、41例は少なくとも一回は退院した。退院した41症例の入院日数は1〜193、平均70.4、中央値60日であった(図2)。

 44例の転帰の内訳は、入院継続中が3(6.8%)、再入院が4(9.0%)、外来通院中が28(63.6%)、転医が3(6.8%)、中断・転帰不明が6(13.6%)であった(図3)。転帰と入院日数の関係をみると、再入院を要した4例の平均入院日数は127.8日と長かった。


 内観療法は44例中38例(86.4%)に実施された。このうち36例は少なくとも一回は退院し、残りの2例は入院継続中であった。内観療法を実施して少なくとも一回は退院した36例の入院日数は8〜193、平均75.3、中央値60日であった(図2)。入院から内観療法の開始までに要した日数は1〜69、平均20.9、中央値15日であった。内観療法を実施した38例の転帰の内訳は、入院中が2(5.3%)、再入院が4(10.5%)、外来通院中が24(63.1%)、転医が3(7.9%)、中断・転帰不明が5(13.1%)であった(図3)。
 内観療法が実施されなかったのは6例で、そのうち5例は退院し、1例は入院中であった。実施しない理由の内訳は、「入院期間が1日」が1、「両親の協力得られず」が1、「服薬で症状が速やかに改善し6日で退院」が1、「症状が重篤」が1、不明が2であった。内観療法を実施せずに退院した5例の入院日数は1〜87、平均35.2、中央値10日であった(図2)。内観療法が実施されなかった6例の転帰の内訳は、入院中が1(16.7%)、外来通院が4(66.7%)、中断・転帰不明が1(16.7%)であった(図3)。

結論:
 精神分裂病新規入院44例中38例(86.4%)に内観療法を実施した。内観療法を実施した38例中36例(94.7%)が退院し、平均入院日数は75.3日であった。この38例中24例(63.1%)は外来で維持されていた。入院継続、再入院はあわせて6例(15.8%)であった。以上の結果から、内観療法を行った精神分裂病入院例の転帰はほぼ良好であるといえる可能性がある。長期予後、薬物療法などとの関連については今後さらに検討を加えたい。





メニュー画面へ