10.内観体験と断薬会という新たな試みについて


断薬会(ニドムの会)
豊田 欣昌



はじめに:

 覚醒剤依存症者の再発を防ぎ、社会への好ましい参加を促す覚醒剤依存者の自助グループ結成が急がれている。昨年来、自分と札幌太田病院長の発案により、覚醒剤依存退院者の会の結成が試みられた。平成13年度札幌太田病院における覚醒剤精神病初診患者数は14名であった。入院したのは12名(初入院10名、新規再入院1名、再入院1名)であり、近年増加傾向にある。


結成:

 平成13年12月薬物依存者により断薬会「ニドム」が結成された。ニドムはアイヌ語の「豊かな大地」を意味する。覚醒剤依存治療の方針として、内観療法を必須のものと考え、内観療法経験者のみで結成された。
準備会:本年2月13日(水)断薬会準備例会が第2ディケア内にある断酒会室で開かれた。今後の方
針について話し合われ、話題の中心は薬物再使用の防止であった。


内観療法の意義:

 例会において、内観的に自分の体験を掘り起こしすることは、断薬継続に有効である。メンバーは全員内観体験者であり、必ず自分の体験談を内観的にレポートしてもらっている。


再発防止:

 断薬会は始めてのことが多く、日々試行錯誤である。大切なことは覚醒剤再使用防止であり、そのために自発的及び定期的又は医師の要請により、採尿し、検尿することを規約とした。不幸にして覚醒剤反応陽性の場合には、直ちに警察に報告することを会員の義務とすることが承認された。このことによりメンバー仲間の相互の安全と、会場を借りるディケアや病院の安全を期すものである。以下に規約等を記載する。

●断酒会ニドムの5原則(+1)
1. 規則正しい通院と診察
2. 検尿(覚醒剤反応)を受ける
3. 断薬会例会に正しく出席する
4. 内観日記を記載する
5. 第2ディケアに参加する
6. 尿反応陽性時は警察に届ける


●断薬の誓い
一. 私は過去の覚醒剤依存によるあやまちを素直に認めます。
一. 私は覚醒剤をきっぱりやめ、又やめ続けることができます。
一. 私は内観を深め、社会貢献する新しい人生を歩み出します。
一. 私は断薬会に出席し、率直に自分を語ります。
一. 私は迷惑をかけたすべての人に償いをします。
一. 私は薬物で悩む人の心の支えとなります。



断薬会規約(H14.2.14現在)

第1条(会の構成とプライバシー)
 断薬会は覚醒剤に頼ることなく豊かで健全な明るい人生を歩み出そうとする人達で構成される。またこの会は、私尿検査を受け、覚醒剤使用のない限り、規約を守り、各個のプライバシーを最大限に考慮する。

第2条(運営と自立)
 断薬会は覚醒剤に悩む人達の相談窓口やアドバイスなど受け皿的役割として存在し、自立独立した自助グループとして存在する。覚醒剤使用者は、警察に通報する。

第3条(事務所)
 
断薬会は医療法人札幌太田病院第2ディケア内に事務所を置き活動する。警察には、常に協力をお願いする。札幌連合断酒会と密接な関係を保ちたい。

第4条(尿検査)
 断薬会員は覚醒剤反応検査を定期的、及び、外来医師が必要と認めた時に行う。

第5条(役員)
 断薬会はリーダー1名、サブリーダー1名、会計1名を置く。

第6条(会計)
1.断薬会員は月1500円の会費を納入する。会費は会の活動経費に充てられるほか預金する。会に対しての寄付は受ける。
2.断薬会は会計を明確にし年1回総会の承認を受ける。

第7条(会の意思決定)

 断薬会の内部の困難事案は、会員全員で協議し、断酒会とも相談し、リーダーがこの処理について決する。覚醒剤反応がある場合は、直ちに警察に報告する。

第8条(例会・学習会)
 当面第2ディケア内で活動し、その他、断薬会として例会と学習会を主として行い、レクリェーションは別途考える。長期的には社会貢献を考える。

第9条(個人主義の原則)
 断薬会は良い意味での個人主義を原則とし、会員はすべてにあたり自己決定・自己責任のもとに為され、会に対する迷惑は一切認めない。その責任は個人にあるものとする。


第1回断薬会準備会記録  2001.12.18
  1. 会の趣旨・目的・・・断薬と懇親と学習
  2. 例会の開催・・・・・第二ディケア 毎月曜日pm:6時〜8時
  3. 学習会の開催・・・・A−2病棟
  4. 尿検査の必要性・・・トライエイジ(検査を自発的に受け、陽性反応が出た時には警察へ行く)
  5. 規約の作成 
  6. 情報公開
  7. 警察・福祉事務所
  8. 会報の発行
  9. 他病院・施設との連携
  10. 断薬会の指導を受ける
今後の対応として検討すべきこと
  1. 断酒会との関係(担当者)
  2. 行政と連絡
  3. 他の医療機関との連携
  4. 次回の会合・例会



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