19.抑うつ状態に陥った思春期不適応への看護者としての役割 〜自室内観法が奏効したPTSDの一例〜
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はじめに: いじめは、1980年代半ば子供の自殺、不登校などの背景にある問題として、社会的に注目をあびるようになってきた。いじめに逢ったことが心的外傷(PTSD)となり精神的な健康が損なわれ、日常生活に障害を与える抑うつ、不安状態に陥った患者に対し自室内観療法にて介入して援助を行った結果、精神的健康度が高められ、病識、性格、目標設定など著しい改善を認めることが出来たのでその経緯を報告する。 症例: 10代後半、女性。中学時に転校してからいじめに逢い、動悸、過呼吸が出現し他病院を受診し抑うつ状態と診断され、薬物療法をうけた。一時改善されるが姉の結婚がきっかけで再び意欲低下、全身倦怠感、脱力感、イライラ感、不眠などの心身症状が悪化し、数度の処方変更の効果もみられず、希死念慮も出現した。最近になりとくに食欲低下、倦怠感が強く、一日中臥床となった。 入院までの経過: カウンセリングを受けたいという希望で母と共に来院。入院での内観療法に強硬な拒否を示し、病棟スタッフに対する攻撃性が見られた。自己主張が強く、他罰的言動、態度が著明で、診察に応じず。結果、医療保護の形態を取り入院となった。 内観療法中の経過: 拒否が強いため自室での内観が開始された。倦怠感や頭痛の訴えが多く、苦痛の緩和を図りながら内観面接担当者と連携を取り合い、身体内観からのテーマで介入して援助を行った。内観が進むにつれ身体が大切であることに気付き、生きていること、生んでくれた両親への感謝の気持ちを表現できるようになった。また、スタッフへの感謝の言葉とともに、この治療法を勧めてくれたことで自分自身が変われたと話され、内観に深まりが見られていった。 結果: 内観終了後、学習会、作業療法へ参加をうながした。しかし、対人関係での問題行動が残っていた。そのつど、無罰型問題解決法や、精神的健康法にて毎日の内観を継続した。その結果、高齢の他患者に対し積極的に介助する姿が見え始め、ホームヘルパーの資格を取りたいと具体的目標が語られた。食事摂取量が増加し、十分な睡眠がとれるようになり、将来は薬を飲まないようにしたいと言われるようになった。 考察: 本報告では内観に強く拒否、抵抗を示した症例への援助実践が示された。自室での内観療法を体調にあわせて勧め、苦痛の緩和を図ったこと、身体に対する自室内観法によって身体を与えてくれた両親への感謝の気持ちに至るようになった。また、学習会への継続参加や毎日を内観的に反省したことが自己認知の修正を行い、将来の目標を設定できたと考える。 結論: 内観療法は自我の精神的発達段階の障害となっていた。いじめの経験を癒し、心身の回復を図り、自己啓発へと繋がる。拒否が強い受療者への内観の有効性を高める工夫は段階的導入(自室内観)を用いると、最終的に日常内観的思考に導くことができるのである。 ※プライバシー保護のため、文中の一部変更を行なっております。ご了承下さい 。 |
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