17.妹へのいじめがあった中学生に対する 同時家族内観の効果とアプローチ
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1.はじめに 長期間不登校であった患児が、妹をいじめるようになり、徐々にエスカレ−トし、両親が対応に困り、札幌太田病院にて、内観療法と同時家族内観療法を併用し入院治療を行った。そこで、家族全体の歪んだ部分の修正の必要性に気づき良い変化が得られたので、以下に報告をする。 2.事例紹介 T君 男性 中学X年生(10代半ば) 診断名は不登校と家庭内暴力である。 T君が2才の時妹が生まれ、しつけの厳しい父と難病に罹患している母のもとで充分に甘える事ができず、自己表現が不得意なまま成長する。 小学校低学年より、不登校が始まり今年の夏休み明けより、妹へのいじめがはじまり母親が止めても徐々にエスカレ−トしていった。父親は、不在が多くて主に母親が対応していた。 3.内観療法と同時家族内観の経過 T君には、入院当日から内観療法が開始される。開始当初退院要求が強く、内観も深まらなかった。内観3日目から徐々にではあるが、精神的に安定し、自ら考え、答えることができるなど、成長をとげることができた。 同時家族内観は、1日目母、4日目父と兄、5日目母と兄と妹が参加して行われた。そこで、今までの家族の機能不全のなかで、T君のとっていた役割が明らかになり、父が反省し謙虚になり、母が元気を取り戻した。最終日の家族内観とボティワ−クでは、それまでの内観での気づきと学びの総まとめと、これからの具体的な取り組みについて話し合われた。 とくに、家族内のコミュニケ−ションについて、実際に体験しながら適切な目標設定がされ、明るい希望をもって終了した。 4.考察 T君は幼児期に充分甘える事ができず、自己表現できない状況で育ち、それがその後の個性化や積極性を不充分なものにし、小学校低学年で不登校となった。そこでさらに、集団や社会生活での経験が乏しく、仲間からの価値の取り入れができず、自己確立がはかれなかった。そして中学校X年で、思春期特有の不安定さと、両親の不仲などがきっかけで妹をいじめるという行動を顕わすようになった。T君の家族が内観療法により、T君だけでなく家族全体が変化することができたのは、本人が自分を見つめ、自分の現状を理解し、周囲へ感謝ができたことと同時に家族全体でその問題について見つめ、その現状を適切に理解することができたためであると考える。このような家族の機能不全により、個人が症状を顕わしている場合は、同時家族内観との併用は、とくに有効であると考える。適応する症例に、この療法をさらに有効なものとする為には、同意が得られためのインフォ−ムドコンセントや就労している家族が参加しやすい工夫、内観療法の効果の継続やフォロ−のための支援システムの活用の取り組みが必用である。 ※プライバシー保護のため、文中の一部変更を行なっております。ご了承下さい 。 |
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