11.兄弟内のいじめと不登校
|
|
|
1. はじめに:近年、不登校の児童は年々増加している。その原因は、学校・社会・文化・家庭と様々であるが、一番身近な家庭が原因となりうる場合が多い。しかし親は、不登校・暴力行為という本人自身の問題行動にだけ目を向け対応に困り医療機関に相談に来る。今回、兄弟間の暴力と不登校が、実は両親の不仲という家庭環境が大きく関与していた症例の集中内観、及び変則的な家族内観に関わる機会を持ち、そこから家族再生の援助についての学びをここに報告する。
2. 症例:I君 10代前半 男児。 両親と20代半ばの姉、10代前半の弟の5人家族。父親は運送業をしており、朝7時前には家を出て帰宅は23時頃で、育児、家事についてはほとんど母親と姉に任せていた。母親はI氏が数歳の時にリュウマチにかかり、その頃より姉が家事を行うようになり、同時にI君の母親役でもあった。小学校X年生の頃、祖母が亡くなり、その頃から不登校が始まる。小学校(X+2)年で完全不登校。小学校(X+3)年生では、フリースクールへ通い始める。現在は、週に3日フリースクールに通っている。同時期より弟への暴力行為が始まり、それは徐々にエスカレートし、入院前には家族でI君を押さえ込むことが毎日のように続いた。その為、弟の不眠と不登校が始まっている。そこで母親が相談目的で当院を受診し集中内観目的で入院となる。 3. 内観・家族療法の経過: 1〜2日目)入院に納得できず帰りたいと泣いていることが多く、食事もとらない。そこで同年代の思春期の男子と一緒に食事をしたり、運動・入浴し、兄的関わりを持ってもらうことで安心感を得、内観に集中するようになる。同時期、両親は退院要求をするが主治医からの説得と、I君の内観の様子を遠くから見ることで治療継続を決心する。 3〜4日目)3日目に父親と姉とI君、4日目に母親と弟とI君と、同じ屏風に入り変則的な家族内観を取り入れ、家族全員が別々に内観を体験し、家族の中の自己、そしてI君の振り返りを行う。 5〜6日目)兄的役割の同年代の男子と母親的役割の看護者で関わり、内観と運動を組み込み、順調に経過する。 7日目)両親とI君の家族内観 4. 結語:新しいパターンでの集中内観とそこに関わる看護者の役割、そして家庭内での役割の乱れにより児童の健全な精神発達が阻害された。考察とまとめは後に報告する。 ※プライバシー保護のため、文中の一部変更を行なっております。ご了承下さい 。 |
|
|
|