内観で気付いたこと
医療法人耕仁会札幌太田病院 内観療法課
都築 誠(薬剤師)
1.はじめに
私は薬剤師として平成15年に札幌太田病院に入職する際、1週間の内観を経験した。今年4月より薬局から内観療法課に配属となった。薬局と内観療法課の異なった職種の経験を比較し、内観療法について考察する。
2.私の内観経験と、現在の薬物状況
私の父は、サラリーマンながら一生涯同じ職場に勤めさほどお金に困ることが無く高校、大学時代には、親が金を出すのは、当たり前のように思っていた。内観により、何か都合の悪い事があると親のせいにする傾向に気付き、自分自身恥ずかしい気持ちでいっぱいになった。この年になって親、特に父に対しての感謝の気持ちを強く再認識することが可能となった。
次に「先生に対する自分」を調べた。小学校の先生を内観してみた。先生が居なかったら教育を受けることは出来なかったと思う。そのまた先生の両親が居なかったら私は小学校教育を受けられない。そう考えるとこの世の中一人欠けても今の自分の人生が変わったものとなり、今の自分は存在しないことに気付いた。思い出と共に内観が深まりいろいろな思いが無限に広がっていった。最後に、テーマ「幸福の発見」を調べた。内観が深まるに連れ、幸福の裏に不幸があり、不幸の裏に幸福があるという妙な思いに至り、私は、「何が幸福で何が不幸なのか分からない」と書いた。人間は、時として何故自分だけがこのような思いをしなければならかいのかと考えがちで、私もその1人だったように思う。
それに対し、薬剤も脳内の伝達物質とそれに対する受容体が次々と解明され、めざましい進歩がある。しかしこのような研究によっても100%の治癒率には、至ってない。つまりまだ、未知の部分が多いように思える。
内観は薬剤を使用しなくても、ひたすら3問(していただいたこと・してお返ししたこと・ご迷惑をかけたこと)を集中して考えると、自分自身、他人に対しても肯定され、からまった糸が解けていくごとく心のしこりが無くなっていくのも事実なのです。
3.考察
心の疲れによって、からまった糸は、自分自身によるものであり、他人(思春期は、特に自分ではなく親が悪いと考えがち)ではない。それに気付き、糸を解くのは、自分自身にしか出来ない。その気付きを促す方法としては、内観は最適と思われる。また、普通に生活出来ている若者でも、1度内観することによって、心の成長を促進出来るという面でも奨励出来る療法といえる。