自閉症幼児グループのボランティア体験報告
|
|
|
1.はじめに: 道内にある障害児・者を対象としたA社会福祉法人施設のクリニック(以下、A施設)における自閉症幼児グループでのボランティア体験を報告する。 2.グループの特徴: 4~6歳児の自閉症児が対象となっている。人数は約10名前後である。個別訓練をしている子が集まり、今年度から始まったグループである。回数は隔週で月2回6ヶ月。スタッフは、作業療法士、心理士、保育士がおり、ボランティアを含めると、大人は7名ほどになる。グループの子どもの特徴は、@言語での交流が難しい、A他人への関心が乏しく、集団からはずれていることが多い、Bこだわり行動がある、C多動である、D順番を待つことや指示を聞くことが難しいなどである。 3.活動内容: 行動療法などに基づく治療教育プログラムをスタッフが行っている。ボランティアは、プログラムが円滑に進むように着席しない子どもを座らせたり、必要に応じて課題に参加したりする。うまくいったときは子どもを褒めることも大事な役割のひとつである。以下に、いくつかの課題を載せる。 @マッチング…目的:日用品の用途を理解する。方法:日常生活に取り入れられるように、歯ブラシ、タオル、コップなどを使用する。指示された日用品を選んでスタッフに手渡す。 A簡単なルールのある集団遊び…目的:一緒にいる仲間への意識を高める。状況にあわせて身体を動かす。方法:汽車ごっこや鬼ごっこなどをする。 B紙芝居…目的:先生や物語への集中力をつける。行動を鎮静化させる。方法:エプロンを用いて登場人物等を続々と登場させる紙芝居を行う。 4.子どもの変化: 半年間という短い期間であるが、次のような変化が子どもたちにみられた。@着席の持続時間が延びた、A課題への注意・集中力が増した、B関わられることを嫌がっていた子は、気にしなくなるか、自分からスタッフに接触を求めてくるようになった、C集団からはずれる傾向があったが、「汽車ごっこ」のような団体行動に積極的に取り組めるようになったなどである。 5.ボランティアの感想: A施設のボランティアで初めて自閉症をもつ子どもと接したのだが、外見だけでは健常児との区別がつかないと思った。実際に関わってくると、当初は彼らの難解な行動の多くに戸惑いもしたが、今ではグループの子どもたちは、表情の豊かな、とても純粋な子どもたちであるという印象をもっている。また、自閉症というイメージは薄れて、「こういう特徴をもった子どもなんだ」と思うようになってきた。子どもたちの変化の理由は、家族と子ども自身の努力や成長が大きな要因となっていると思うが、A施設が子どもの発達と興味に応じて、課題を常に創意工夫してきたこともひとつの要因となっているはずである。ボランティアを通じて、少しでも障害と共に生きる子どもの発達に貢献して行きたいと思っている。 |