心療内科診療 Q&A



高齢期をいかに生きるべきか

目  次

  1. はじめに
  2. 高齢者とは…その多彩さ多様さ
  3. 高齢者の性格傾向と自我欲求レベル
  4. 良い高齢期と社会参加のために
  5. 職員や若い人々に望むこと
  6. 老人保健施設




2. 高齢者とは…その多彩さ多様さ

人間をつくる六要素
第T面身     体
第U面家     庭
第V面社 会(職業)
第W面知 識、教 養
第X面精 神、性 格
第Y面向上心、意 欲
 子はどの子も乳をのみ、泣き、一見すると個性に大きい差はない。しかし、人間は加齢とともに、その人の家庭環境、社会的環境、知識や教養、性格など人間に関するあらゆる要素が多様に分化し発達していく。年齢と共に人間は多様化し、複雑化していきます。


 数例の経験から診断や治療に必要な人間理解の視点として最低限6面があると考えられます。
 この6面は加齢とともに、教育や経験から成長し発展しますが、老齢化により衰退し始めるものもあり得ましょう。ゆえに、高齢者をこの6面から理解し、把握し、その多様化に合わせた援助、介護が必要となるでしょう。
 

3. 高齢者の性格傾向と自我欲求レベル

 般的に高齢者の性格分類は左図の6型に分ける考え方があります。その1、2は好ましい型でしょうが、3、4、5、6は本人も悩み、周囲と葛藤を起こしやすい。
 これらは若いころからの性格傾向に加えて、加齢による喪失体験やストレスが本人をして防衛的に問題行動パターンをとらせていると考えられます。それぞれに援助する事により改善可能と考えられます。
 断酒しないアルコール症者の多くは65歳の高齢期を迎えられずに死亡します。運が良く長生きしても、憤慨型、自己嫌悪型、無気力型になりやすい。
高齢者の性格分類
高齢者の性格分類


自己実現のための発達段階
自己実現のための発達段階


 ズローは自己実現のための発達段階として左図の5段階を挙げ、その下位の欲求の充足なしには、より上位の欲求の充足は得られないとした。

 かなり高齢者でも、性格分類の1を保てる人や発達段階のXを保っている人もいれば、初老期ですでに性格分類の4、5、欲求発達レベルの1の人もいます。発達レベルと年齢を考えると人生には多数のパターンがあり得ます




 ルコール症者で断酒しない人は、下表のように若くして死亡してしまうことが多い。運良く長生きしても、他人に迷惑をかけ、赤ちゃんか子供のような低いレベルの生き方でDのような人生になります。
 断酒することにより、より幸せなA、B、Cのような人生、老年期、幸福な死が準備されると思われます。
人生の満足度
人生の満足度
人生の発達パターン
人生の発達パターン