精神科診療 Q&A



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女性アルコール症と女性断酒会

太田耕平著:幼児から高齢者までの心の発達 十段階心理療法 第7版
〜自信の回復と幸せな人生のために〜、205〜214、1998

目  次

  1. 女性アルコール症の悲哀
  2. 女性アルコール症の増加
  3. 女性アルコール症者の特徴
  4. 現代女性の精神的葛藤
  5. サルビア会(女性断酒会)の誕生
  6. 女性アルコール症に関心を
  7. 女性のア症のタイプ


女性アルコール症の悲哀
太田耕平著:幼児から高齢者までの心の発達 十段階心理療法第7版
〜自信の回復と幸せな人生のために〜、205〜206、1998

 女性アルコール症(以下ア症)者にはさまざまな悲劇や苦悩が秘められています。

 「れ以上飲んだら別れると夫に言われ、別れて自分一人になったら死ぬしかないと思いながらも、やめられなかった」「姑さんと同居してから飲み出した。何かにつけて嫁のせいにされ、家に閉じこもって飲みつづけた」「夫の酒乱に10年以上悩まされた。あまり乱暴するので自分で飲んだらどんなものかと飲みだした。経済的にも不安ばかりで飲まないと夫に何も言えなかった」「夫の女性問題からやけ酒を覚え、水商売の経験からも酒量が増えた」「夫婦仲がうまくいかず、離婚して水商売に入ってから酒量が増え、35°焼酎一升以上飲んでいた」「夫と離婚すると決めてから飲み出した。夫が居なくなってから心のよりどころがなく飲む量も増えた」「遊びすぎて高校中退し、てっとり早いので水商売に入り酒量が増えた。そのうちに自分の体内に猫が入って来て、飲ませろと要求し、飲まないと暴れて身体中かきまわす、苦しくて仕方なく飲んだ」「高校生の娘が非行に走りかけ、そのイライラから逃れようと量が増え、ついに娘に包丁をつきつけ、それから飲んで暴れるようになった」「五人娘を皆嫁がせ、家に一人残され、夫の飲み残しに手を出してから量が増えた」「一人暮らしの寂しさをまぎらわすために飲んで肝臓を悪くした。そのうちにだれも居ないのに悪口を言う幻聴が出てきた」「肝臓と高血圧で入院し、病院内でこっそり飲んでいるうちに看護婦にみつかり退院させられた」「毎日夕方には酔って家事もできなくなり入院させられた」
 
のように、自分の飲酒体験をくったくなく話し合い、日常生活のことも気取りなく語り,その中から仲間意識と断酒の決意を再確認する女性だけの断酒会(サルビア会)が当院で毎週開かれるようになって19年になります。現在までに65例の女性アルコール症を経験しましたが、このサルビア会が結成されてから、予後も良い方へと向かっています。すなわち「普通の断酒会だと男ばかりで女は一人か多くて二人。隅の方でポツンとして何も話せないし友もできない。しかし、女性だけのサルビア会では、性にまつわることでも何でも、ザックバランに話し合えて互いに学びあえるところがいい」ということ。
 
性がア症に陥っていく過程や、立ち直る過程でも男性とは異なった状況を示すことが多いので、女性ア称は対応がむずかしいという印象があります。そこで、女同士なら“女のアル中“という肩身のせまい思いもせず、何でも語り合える女性断酒会が増えつつあります。
 
内の女性断酒会は、当院のサルビア会を含め現在のところ五つあります。アメジスト舎(東京)、芙蓉の会(東京)、アメシストの会(静岡市)、優る芯クラブ(大阪市)、サルビア会(札幌)です。