精神科診療 Q&A



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アルコール症の治療

目  次

  1. 治療は?
  2. 内観療法とは?
  3. アルコール症 10段階精神療法 カリキュラム
  4. アルコール依存症家族会教育プログラム
  5. アルコール症者退院時指導
  6. 家族への13の助言
  7. 断酒の三原則
  8. 依存症者の問題点と治療的対応
  9. 札幌太田病院におけるアルコール症治療


治療は?

  ルコール依存症の治療は、お酒をきっぱりやめること(断酒)である。やめれば必ず治る。だが、一人ではなかなかやめられない。
「そのためには、断酒会や家族会に入ることが大切です。さらに生活や家族の種々の問題に対処していく力を高めていく必要があります」と太田先生。
 そうしない限り、いつまた酒に逃げてしまうかも知れない危険性があるからだ。また、肝硬変をはじめとする様々な内科系の疾患も出てくるし、進行すると精神障害を起すこともあり、家族や子供、周囲の人々に悪影響を及ぼすこともある。そうならないうちに、病院できちんと指導を受け、早期に治療したほうがいい。
 同時に、自分をみつめ、自分の問題点を分析して把握し、現実に対応していく力をつけることが重要だ。そのために、アルコール依存症の治療には精神的なケアが不可欠である。
「精神科で治療するにしても、専門病棟と治療プログラムを持っていて、地域断酒会やA.Aなどの自助グループと提携している病院にかかるべきでしょう」
 太田先生からのアドバイスだ。


「内観療法」とは?

 分の心理や行為を第三者的に見ていくもので、指導者のアドバイスを受けながら、狭い屏風に囲ってもらい約7日間、朝から晩まで内観といわれる思考活動を続ける。幼少期から現在までの半生を、母、父、姉妹、夫、子供などとの人間関係を重点的に回想していく。そうすると、親や肉親、同僚などの細かい思いやりややさしさが次々によみがえって、いかに自分はまわりの人達に迷惑をかけていたか、同時にいかに多くのことをしてもらっていたか、涙ながらにこと細かに思い出す。内観が終わると、一様に安心感とくつろぎ、感謝の気持ちを強く抱くようになり、人生を積極的に送る意欲がわいてくる。

太田耕平先生
医療法人耕仁会理事長・札幌太田病院名誉院長
 庭というのは大切ですよ。親は子どもを十分に愛し、かつ必要なときはしっかり叱るのが、本来のあり方です。甘やかすだけでも、厳しくするだけでも不十分。それでは親と子の信頼関係が築けません。親を信頼できない子供は、人間不信とがまんできない性格をかかえたまま育っていくことが多い。当然、友人や同僚などとの人間関係に悪影響します。また、自己中心にしか物事を見られない人は、視野が狭くいつも不満だらけ。不満が積もって、自分で自分を不幸にしていくわけです。
 アルコール依存症の治療は、自分を見つめなおすことでもあります。その意味で、過去から現在までを細かく区切り、いつごろ、どんなことがあったのか、まわりの人にどんなことをしてもらっていたのか、じーっと深く振り返っていく「内観療法」がとても有効であり、この20年間私は実践しているのです。