院内・地域断酒会つくりの支援・・断酒会結成支援方法

[札幌太田病院]

 

《 青森県の医師から『県内に断酒会がなくなった』

『どうしたら断酒会を作れますか?』》という

メールでの質問を太田耕平が受け、そのご返事 です(一部加筆あり)。

 

@      当院は1974年に院内断酒会(しらかば会)結成以来、37年間酒害医療を継続している。

A      札幌連合断酒会の会員の過半数が札幌太田病院の退院者である。ほぼ全員が内観療法を体験しており、内観療法(認知行動療法)の有効性の高さを実証している。

B      現在、病棟内断酒会を週2回、女性断酒会週1回、札幌連合断酒会所属4断酒会の例会(院内断酒会室)、を毎週院内で開催している。AAは年数回院内でミーティング。

C      当院の退院者(内観療法体験者)が各地域の断酒会で活躍を継続している。

 

断酒会創設五段階

T:酒害治療の成功→ U:断酒家の誕生→ V:断酒の喜びを広めたい→ W:断酒会指導者への応援→ X:断酒会設立支援→ Y:断酒会の結成

 

断酒会設立支援・準備20段階

1.     アルコール依存症の治療マニュアル(職員用、患者用、地域?用)作成

2.     職員自身が上記に精通し、意欲的に同症に接し、信頼ある治療システムを実践

3.     内観療法など深い自己分析から酒害に目覚め、完全断酒を目ざす人々を増やす

4.     この中からリーダーを育てる→アルバイト職員に採用(飲んだら中止と約束)

5.     院内断酒が確実に維持されている事が大切。抗酒剤の服用、作文→文集編集

6.     断酒の必要性の確認、節酒派への教育、例示。楽しく明るいプログラムを工夫

7.     酒瓶を持ち込み、窓から酒瓶を釣り上げ、ペットボトル内の酒、入棟時の酒臭や入棟時酒の持ち込み、・等の厳しいのチェックがきちんと安全にできているか。酩酊して帰院時、酒臭で帰院、酒害行為を起こして帰院→規約通り厳しい対応を。核になるケースワーカー、心理士の養成、家族会・患者会を担当し事務局業務を。

8.     ア症に関する学習会(認知修正ステップ・アップ)を5日 / 週、体験発表会など

9.     アルコール患者会を週2回 ・酒害体験の深化、司会は断酒成功退院患者が行う

10. 患者会の中に委員会(スポーツ、娯楽、学習、地域連携委員会など委員長・・)

11. 家族会を月2回 、一回は保健所、時には福祉課所員の同席を願うなどの工夫

12. 外来者、断酒継続者、ア症デイケア会員を病棟に呼び、小グループピアサポート

13. 全断酒連盟(03―3953−0921)、地域断酒会の助言、支援、参加を頂く

14. 患者会設立予定、断酒会への発展期待を、市民広報誌、保健所、と相談

15. これらの活動は、土曜・日曜、時間外が多くなり、サービス精神・献身的な職員、断酒家が1〜2人と育つことを期待し、支援=医師が先頭に立つことが大切。

16. 機会があれば、貴職員が札幌太田病院に見学に来られてはいかがですか。1〜2人の熱心な職員と患者さんを当院で預かり、治療体験をしてもらい、その後、貴院で体験発表し、リーダーシップを発揮してもらう事も考えられます。

17. 記憶回想療法、認知行動療法(内観療法)などを実践し、職員も内観し、感動し職員自身が納得したうえで患者に勧めうること、が基本であり大切です。

18. 酒害を自覚し、『完全断酒を目標にする人』、『断酒したら、いかに素晴らしい人に変容したか』、『断酒がいかにすばらしいか』を、身をもって示す=サンプル的人材・・が必要でしょう。

19. 青森市にある内観道場のかたに指導・講演などをお願いしては、いかがですか?

以上の文章をまとめながら、30年前の当院の経験を思い出す機会となり、懐かしく感じました。院内断酒会室を例会場にしていた「新生山の手断酒会」が、8月に創立15周年を迎えたのを期に、会場を札幌西区民センターに移すこととなりました。病院から独立した祝賀会を兼ねた例会になります。

20. 尚、女性の会は断酒会とは別に[断酒土曜女性の会]として女性断酒家がまとめています。女性アル症にはAAのご協力を院内外でいただくことも大切です。

 

アルコール症の家庭、家族には、多くの心的外傷の子・妻・夫がいます。1人の酒害者の治療→断酒は、とても好ましい大きい波及効果があります。  

 

断酒会設立ご後援の成果が上がること、ご健闘をお祈り申し上げます。

   

2010. 7. 12.   札幌太田病院 太田耕平