札幌太田病院でのアルコール症、断酒会、自助グループなどの活動支援について 
札幌太田病院外来棟・断酒会室にて PM6:30より
 月曜日 ことに断酒会(小田会長)
 火曜日 新生山の手断酒会(吉田会長)
 [2010年8月より札幌市西区民センターで開催]
 木曜日 木曜断酒友の会(斉藤会長)
 金曜日 山の手断酒会(小笠原清治会長)
札幌連合断酒会会員の過半数が当院の退院者、内観療法の体験者です。



■連合断酒会40周年をお祝いします(PDFファイル)

札幌連合断酒会40周年をお祝いします

これからのご発展をお祈りして

 

全断連顧問  札幌太田病院 理事長 太田耕平

 

1.       村田先生のご支援のもと、原田・後藤両氏が中心になり、もいわ断酒会が結成された。会員の努力と時代のニーズに応え、全道に90を超える断酒会が創設されたことはまことに喜ばしいことです。自助グループとして他の模範になりました。私たち医療職員にも多くの貴重な学習の場を与えていただきました。心からの感謝を申しあげます。

 

2.       道断連・札連断の結成を通して広い地域に住む酒害者と家族・関係者に対して、酒害から立ちあがる夢・希望・安心・実践・相互扶助・自助努力・医療や行政など関連機関の連携の場、を提供されてこられた。その功績は極めて大きく敬意を表します。

 

3.       優れた断酒家の皆さんとの出会いは感動的でありました。金尾 信さん、原田ひろし先生、後藤昌司さん、権平 進さんはじめ多くの断酒家が、断酒と断酒後の素晴らしいお人柄、人間味にあふれ、明るい前向きの生き方を実践されました。いつも適切なアドバイスを惜しまず、入院者と家族に語り、断酒会の必要性を熱心に語ってくれました。多くの人々の心と生活に豊かさと平和を与えてくれました。心から御礼を申し上げます。

 

4.       断酒会員は、私たち医師・看護師・心理士・ケースワーカーにもア症の看護の要点や、断酒の重要性、体験談の拝聴の大切さ、断酒会入会の必要性を示してくれました。目標や方向を明示して下さいました。

 

5.       自助グループである断酒会の成長は全国的レベルでなされ、行政的支援や全国的連帯は、断酒会の自信と機能充実にへと発展されました。原田ひろし先生引率のスウェーデンのレンカナ訪問旅行は感激的でした。貴重な思い出です。

 

6.       40年間の長きにわたり断酒会と密接に協力関係をいただき、パートナーの専門医療機関としての当病院でも、酒害治療に向けてのサービスの向上、組織の充実を一層図りたいと決意を新たにしたいです。40周年を迎え立派に充実された断酒会のパートナーとして、私たち医療機関は今後どうあるべきでしょうか。断酒会の求める医療機関でありたいです。

 

7.       今後の診断の向上には:身体診断:CTスキャンや内科的・多科医学的診断の充実。心理・性格診断:心理力動・人格レベル・家族関係診断、この分野では内観分析療法、学習会療法が極めて有効でありましょう。

 

8. 今後の入院者支援は、学習会、病棟内断酒会、地域断酒会参加を促進。

家族支援は、家族会を各種疾病ごとに結成し例会を実践しています。増加している女性アルコール症、若年者、摂食障害合併症例、リストカットや引きこもり合併症例、うつ病・薬物依存合併症例の方々への支援を具体化しつつあります。病院利用者の個別性に、家族問題に、積極的に対応・支援できる多種・多様な医療サービス、ケース支援に努めて行きたいです。

 

9.       治療工夫は:幼児からの心的外傷に関する自己分析療法、家族関係分析療法、各種行動療法、家族関係調整、院内断酒会、入院中から断酒会参加・デイケア見学をおこないます。治療成果の統計的検討と反省・治療技法の改善を常に心がけたいと思います。

 

10.退院後のアフターケアーの充実:通所施設として@アルコール症デイケア、A社会復帰・就労支援ワークステーションの増設を図りたいです。Bリボンハウス、C各地の断酒会への参加・協力を促進したいと思いますC女性アルコール症には院内の女性の会、AAとの協力をすすめたい。

 

11.今後の生活支援施設の充実:@共同住宅 A援護療 Bグループホームの改修・設備の改善・増築を積極的に行なっていきたいです。

   特に、今後著しい増加が確実な高齢者への支援が断酒会と会員にも求められると思われます。当院としても断酒家の社会貢献・奉仕の場として

   老人施設での介助支援活動をお勧めしたいと考えております。

 

12.札幌連合断酒会の会員の半数以上が、札幌太田病院の退院者です。ほぼ

全員が集中内観療法(認知行動療法)を受け、自分の酒害に目覚め、断酒と素晴らしい人格を新生され、周囲から尊敬と期待で人々が集まり、いつの間にか断酒会が生まれていくのです。今後の発展をお祈り申しあげます。

 

むすび:パートナーとして医療機関のあるべき姿は:情報の公開開示、治療成果の開示、医療施設の公開、見学希望者への病棟開示、断酒会との共同活動の創造、行政との協力、などが当病院としても可能と考えていますし、既に実施しています。

 

高齢者社会、女性ア症が増加する中、個性のある断酒会の活性化、連携行事の工夫・創造を通じて、個々の断酒会会員のさらなる研鑽と豊かさの追求を期待申しあげます。50周年〜60周年に向けてのご発展を心からお祈り申し上げます。        

 

2009. .)




■断酒会設立の支援 【質問メールへのご返事】(PDFファイル)

院内・地域断酒会つくりの支援・・断酒会結成支援方法

[札幌太田病院]

 

《 青森県の医師から『県内に断酒会がなくなった』

『どうしたら断酒会を作れますか?』》という

メールでの質問を太田耕平が受け、そのご返事 です(一部加筆あり)。

 

@      当院は1974年に院内断酒会(しらかば会)結成以来、37年間酒害医療を継続している。

A      札幌連合断酒会の会員の過半数が札幌太田病院の退院者である。ほぼ全員が内観療法を体験しており、内観療法(認知行動療法)の有効性の高さを実証している。

B      現在、病棟内断酒会を週2回、女性断酒会週1回、札幌連合断酒会所属4断酒会の例会(院内断酒会室)、を毎週院内で開催している。AAは年数回院内でミーティング。

C      当院の退院者(内観療法体験者)が各地域の断酒会で活躍を継続している。

 

断酒会創設五段階

T:酒害治療の成功→ U:断酒家の誕生→ V:断酒の喜びを広めたい→ W:断酒会指導者への応援→ X:断酒会設立支援→ Y:断酒会の結成

 

断酒会設立支援・準備20段階

1.     アルコール依存症の治療マニュアル(職員用、患者用、地域?用)作成

2.     職員自身が上記に精通し、意欲的に同症に接し、信頼ある治療システムを実践

3.     内観療法など深い自己分析から酒害に目覚め、完全断酒を目ざす人々を増やす

4.     この中からリーダーを育てる→アルバイト職員に採用(飲んだら中止と約束)

5.     院内断酒が確実に維持されている事が大切。抗酒剤の服用、作文→文集編集

6.     断酒の必要性の確認、節酒派への教育、例示。楽しく明るいプログラムを工夫

7.     酒瓶を持ち込み、窓から酒瓶を釣り上げ、ペットボトル内の酒、入棟時の酒臭や入棟時酒の持ち込み、・等の厳しいのチェックがきちんと安全にできているか。酩酊して帰院時、酒臭で帰院、酒害行為を起こして帰院→規約通り厳しい対応を。核になるケースワーカー、心理士の養成、家族会・患者会を担当し事務局業務を。

8.     ア症に関する学習会(認知修正ステップ・アップ)を5日 / 週、体験発表会など

9.     アルコール患者会を週2回 ・酒害体験の深化、司会は断酒成功退院患者が行う

10. 患者会の中に委員会(スポーツ、娯楽、学習、地域連携委員会など委員長・・)

11. 家族会を月2回 、一回は保健所、時には福祉課所員の同席を願うなどの工夫

12. 外来者、断酒継続者、ア症デイケア会員を病棟に呼び、小グループピアサポート

13. 全断酒連盟(03―3953−0921)、地域断酒会の助言、支援、参加を頂く

14. 患者会設立予定、断酒会への発展期待を、市民広報誌、保健所、と相談

15. これらの活動は、土曜・日曜、時間外が多くなり、サービス精神・献身的な職員、断酒家が1〜2人と育つことを期待し、支援=医師が先頭に立つことが大切。

16. 機会があれば、貴職員が札幌太田病院に見学に来られてはいかがですか。1〜2人の熱心な職員と患者さんを当院で預かり、治療体験をしてもらい、その後、貴院で体験発表し、リーダーシップを発揮してもらう事も考えられます。

17. 記憶回想療法、認知行動療法(内観療法)などを実践し、職員も内観し、感動し職員自身が納得したうえで患者に勧めうること、が基本であり大切です。

18. 酒害を自覚し、『完全断酒を目標にする人』、『断酒したら、いかに素晴らしい人に変容したか』、『断酒がいかにすばらしいか』を、身をもって示す=サンプル的人材・・が必要でしょう。

19. 青森市にある内観道場のかたに指導・講演などをお願いしては、いかがですか?

以上の文章をまとめながら、30年前の当院の経験を思い出す機会となり、懐かしく感じました。院内断酒会室を例会場にしていた「新生山の手断酒会」が、8月に創立15周年を迎えたのを期に、会場を札幌西区民センターに移すこととなりました。病院から独立した祝賀会を兼ねた例会になります。

20. 尚、女性の会は断酒会とは別に[断酒土曜女性の会]として女性断酒家がまとめています。女性アル症にはAAのご協力を院内外でいただくことも大切です。

 

アルコール症の家庭、家族には、多くの心的外傷の子・妻・夫がいます。1人の酒害者の治療→断酒は、とても好ましい大きい波及効果があります。  

 

断酒会設立ご後援の成果が上がること、ご健闘をお祈り申し上げます。

   

2010. 7. 12.   札幌太田病院 太田耕平